OM SYSTEM PEN・E-P7・E-PL10・E-PL8 を比較してみる
こんにちは、ザビリオです。
先日、OM SYSTEM から新しい「PEN」が発表されました。2026年10月下旬の発売予定で、PENシリーズとしては初めて「OM SYSTEM」のブランド名を冠したモデルになります。
我が家には、昨年12月に妻へプレゼントした OLYMPUS PEN E-PL8 があります。妻はもともとカメラ趣味の人ではないのですが、意外とよく持ち出してくれていて、私としては嬉しい誤算でした。
そんなこともあって、今回の新型 PEN の発表は「PENシリーズって、この10年で何がどう変わってきたんだろう」と気になるきっかけになりました。今回は新しい OM SYSTEM PEN と、E-P7・E-PL10・E-PL8 の4台を並べて比較してみます。
また、せっかく身近にE-PL8の使い手がいるので、横で見ていて感じていることも書いてみます。渡したときの私の想定と、実際の使われ方が少し違っていて、記事を書きながら考えを改めることになりました。そのあたりは後半に書いています。
なお、私は新型PENの実機を触ったわけではなく、公開されているスペックとメーカーの発表内容をもとに書いています。実際の写りや使い勝手については、発売後のレビューを待ちたいところです。あくまで「カタログを並べて眺めてみた」記事として読んでいただけると幸いです。
PENシリーズが気になっている方の参考になれば幸いです。
比較する4台について
OM SYSTEM PEN(2026年10月30日発売予定)
新しいPEN。E-P7のクラシカルな見た目を受け継ぎつつ、EVF・像面位相差AF・防塵防滴と、これまでのPENになかったものが一気に入ってきました。

OLYMPUS PEN E-P7(2021年6月)
「E-P」系の最新モデルだった機種。2000万画素センサーと5軸手ぶれ補正を積み、プロファイルコントロールという色づくりの機能が入りました。

OLYMPUS PEN E-PL10(2019年11月)
E-PLシリーズの最終モデル。E-PL9からの正常進化という位置づけです。

OLYMPUS PEN E-PL8(2016年11月)
我が家にある、妻用の1台です。ホワイトのボディを使っています。

スペック比較表
| OM SYSTEM PEN | E-P7 | E-PL10 | E-PL8 | |
|---|---|---|---|---|
| 発売 | 2026年10月下旬 | 2021年6月 | 2019年11月 | 2016年11月 |
| 有効画素数 | 約2037万 | 約2030万 | 約1605万 | 約1605万 |
| 手ぶれ補正 | 5軸 中央5.5段/周辺4.5段 | 5軸 4.5段 | 3軸 3.5段 | 3軸 3.5段 |
| AF | 像面位相差+コントラスト 121点オールクロス AI被写体認識 (人物・犬・猫) | コントラスト 121点 | コントラスト 121点 | コントラスト 81点 |
| 連写(最速) | 約30コマ/秒(電子) 約5コマ/秒(メカ) | 約15コマ/秒 | 約14.1コマ/秒 | 約8.5コマ/秒 |
| ファインダー | 内蔵 0.39型OLED 236万ドット | なし | なし | なし (外付け対応) |
| 背面モニター | 3.0型 バリアングル | 3.0型 チルト 上80度/下180度 | 3.0型 チルト 上80度/下180度 | 3.0型 チルト 上80度/下180度 |
| 動画 | C4K 24p / 4K 30p FHD 120fps OM-Log400 | 4K 30p | 4K 30p | フルHD 30p |
| 防塵防滴 | IPX1 | なし | なし | なし |
| 大きさ | 125.8×74.5×43.3mm | 118.3×68.5×38.1mm | 117.1×68.0×39.0mm | 117.1×68.3×38.4mm |
| 重さ | 約393g | 約337g | 約380g | 約374g |
ソフト面の比較(コンピュテーショナルフォトグラフィー)
今回いちばん差がついているのがこの部分です。
| 機能 | PEN | E-P7 | E-PL10 | E-PL8 |
|---|---|---|---|---|
| ハイレゾショット(三脚80MP / 手持ち50MP) | ○ | × | × | × |
| ライブND(ND2〜ND16) | ○ | × | × | × |
| 深度合成 | ○ | × | × | × |
| ライブコンポジット | ○ | ○ | ○ | ○ |
| HDR撮影 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 多重露出(2枚) | ○ | ○ | ○ | ○ |
| プロファイルコントロール | ○ | ○ | × | × |
| 専用CPボタン | ○ | × | × | × |
それぞれ、ざっくり書くとこういう機能です。
ハイレゾショット
センサーをわずかにずらしながら複数枚撮って、1枚に合成する機能です。三脚を使えば約8000万画素相当、手持ちでも約5000万画素相当の画像が作れるとのこと。合成する都合上、動いている被写体には向かないので、風景や物撮り向けの機能という理解でいます。
ライブND
これがいちばん面白そうだと感じた機能です。複数枚を合成することで、NDフィルターを付けたときのような「スローシャッターの効果」をカメラの中で作ってくれます。ND2からND16まで、最大で4段分。
私はKenkoのブラックミストを使っていて、フィルターをネジで付け外しするのが地味に億劫だなと感じているので、こういう「ソフトで済ませてくれる」機能はありがたく感じます。
深度合成
ピント位置を少しずつ変えて撮影し、ピントの合っている部分だけを合成してくれる機能です。接写でどうしてもピントが薄くなってしまう場面で、全体にピントの合った1枚を作ってくれます。
ライブコンポジット
明るくなった部分だけを足していく合成です。星の軌跡や花火を撮るときに、明るくなりすぎずに光跡だけを重ねていってくれます。
これはE-PL8にも入っています。10年前の機種にすでにあった機能で、この頃からオリンパスがこの方向を向いていたのだなと、表を作りながら気づかされました。
専用CPボタン
新型PENには、これらの機能を呼び出す専用ボタンが付きました。ボタンを押しながらダイヤルを回して選ぶ形式とのことです。機能があっても、メニューの奥深くに埋まっていると結局使わなくなりがちなので、これは地味ながら効きそうだなと思います。
観点別に見ていく
① ファインダーが載ったのが最大の変化
PENシリーズで、ついに電子ビューファインダーが内蔵されました。0.39型のOLEDで236万ドット。外付けのファインダーを買い足さなくても、覗いて撮れるようになりました。
② AFが位相差になり、被写体認識が入った
E-PL8からE-P7まで、PENのAFはずっとコントラスト方式でした。今回の新型で像面位相差AFに変わり、さらに人物・犬・猫を認識するAIが入っています。測距点も121点すべてがクロスセンサーになりました。
動きものを追いかける性能は、この世代で大きく変わったと見てよさそうです。
③ 手ぶれ補正は「3軸」と「5軸」で線が引かれている
E-PL8とE-PL10は3軸・3.5段、E-P7と新型PENは5軸です。新型は中央で最大5.5段とされています。
数字の差以上に、3軸と5軸では補正してくれる方向そのものが違うので、室内で子どもを撮るような、シャッター速度が稼ぎにくい場面ほど差が出てくるのだろうと思います。
④ 画素数は1600万と2000万
E-PL8・E-PL10が約1600万画素、E-P7と新型PENが約2000万画素です。
ただ、私は以前から「1200万画素あれば十分」と書いてきた人間なので、ここはあまり重く見ていません。ブログに載せる、L判やスマホで見る、という使い方の範囲では、1600万画素で困る場面はまず来ないという実感です。ハイレゾショットのような、画素数を積極的に使う機能を目当てにするなら話は別ですが。
⑤ 新型は、少し大きく重くなった
新型PENは393g・125.8×74.5×43.3mm。E-P7が337gなので、56g重く、ひと回り大きくなっています。E-PL8が374gなので、我が家の1台よりも重いことになります。
EVFと防塵防滴が入ったことを考えれば納得の増加ではあります。ただ、PENというシリーズの持ち味が「小さくて気軽」だったことを思うと、ここは評価が分かれそうだなと感じました。
⑥ 価格は、はっきり上がった
E-P7の初値が約84,000円だったのに対し、新型PENはレンズキットでマップカメラさんの価格が148,500円。
中身を見れば妥当な内容だとは思うのですが、「気軽に持てるPEN」という感覚で見ると、なかなかの価格だなというのが正直なところです。私のように型落ちや中古を好んで選ぶ人間からすると、E-P7やE-PL10が中古市場でこなれてくるのを待つ、という選択肢も十分ありな気がしています。
妻がE-PL8を使う様子を見て感じること
ここからが、今回いちばん書きたかった部分です。
E-PL8を妻に渡してから、10か月ほどになります。本人に改まって聞いたわけではないので、あくまで横で見ている私の印象ですが、渡したときに想定していた使われ方とは少し違っていました。
① メインはズームレンズに戻った
E-PL8は、昨年12月の初めにキットレンズの M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ と一緒に購入しました。そこから1か月ほど経った年明け、1月の初荷で LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 を買い足しています。スマホとの違いはボケ感だろう、というのが私の考えだったからです。
ただ、結果的に今のところは、ズームレンズをメインに使う形に戻っています。コンパクトなまま、ズームもできる。そちらを選んでいる、という形です。
スマホでもズームはできますが、カメラの方がシャープで、歪みも少なく写ってくれます。ボケよりも、そういう「素直にきれいに写る」ところにメリットがあるのかな、と見ています。
私はかねがね「スマホとの差別化はボケ感」と書いてきたのですが、どうもそれは私の物差しでしかなかったようです。ボケを求めるのは撮ること自体が目的になっている人の発想で、記録として残したい人にとっては「離れたものがちゃんと写る」方がずっと実用的なのかもしれません。
② 細かい設定はあまり触らない
見ている限り、細かい設定はあまり触らず、基本的にはカメラ任せで撮っているようです。ソフト的な機能も、ほとんど使っていないと思います。
これは新型PENを考えるうえで、けっこう大事な話だなと思いました。今回いちばん強化されたのが、まさにその部分だからです。
③ 「特別感」が効いているのかもしれない
日常ではスマホの出番の方が圧倒的に多く、カメラを使う頻度自体はそれほど高くありません。それでも、出掛けるときには持ち出してくれています。
スマホで十分なはずの場面でわざわざカメラを持って行くのは、カメラで撮ること自体に、ちょっとした特別感があるからなのかなと思っています。これはスペック表には絶対に出てこない評価軸です。
④ 自撮りの出番が多い
そして、これが一番の発見でした。
出掛けるときは必然的に子どもと一緒なので、背面モニターを下に返して、子どもと一緒に自撮りしている場面をよく見かけます。
E-PL8は発売当時、「タッチセルフィー」を前面に出していた機種でした。モニターが下方向に180度返り、カメラを構えたまま自分たちの顔を確認できる。当時の売り文句が、10年後の我が家でそのまま活躍してくれていることになります。
この目線で、新型PENを見直してみる
こうした我が家での使われ方を踏まえてもう一度スペック表を眺めると、見え方が変わってきました。
強化された部分が、我が家の使い方だとあまり響かない。ハイレゾショットもライブNDも深度合成も、素晴らしい機能だとは思うのですが、細かい設定をあまり触らない人にとっては、価格に乗っている分だけ重く感じられるかもしれません。
モニターがチルトからバリアングルに変わった点は、少し気になります。バリアングルも横に開いて前を向くので自撮りはできますが、チルトのように「下にパタンと返す」動作とは操作感が違います。片手でカメラを持って子どもと並ぶ、という場面でどう感じるかは、実機を触ってみないと分からないところです。少なくとも、E-PL8から乗り換える人にとっては慣れが要りそうだなと思いました。
重さも、393gと我が家の1台より重くなります。「気軽に持ち出せること」が持ち出す理由になっている人にとって、この差は小さくないかもしれません。
一方で、刺さりそうな部分もあります。新型のキットレンズは14-42mmが新しくなり、防滴に対応して、寄れる性能も上がっているとのこと。ズームを主に使い、出掛け先で子どもを撮る使い方とは、むしろ相性が良さそうです。防塵防滴も、子連れの外出では効いてくる場面がありそうに思います。
こんな方に
| こんな方 | 向いていそうな1台 |
|---|---|
| 動く子どもや動物を撮りたい ファインダーを覗いて撮りたい ハイレゾやライブNDなど、ソフト面の機能を使い倒したい 雨の日や外遊びでも気にせず持ち出したい | OM SYSTEM PEN |
| 2000万画素と5軸手ぶれ補正は欲しいが、価格は抑えたい 小さく軽い方がよい | E-P7 |
| とにかく安く、4K動画も一応押さえたい | E-PL10 |
| 見た目で選びたい カメラに詳しくない人への最初の1台 自撮りをよく使う 中古で安く手に入れたい | E-PL8 |
まとめ
- OM SYSTEM PEN は、EVF・像面位相差AF・防塵防滴と、これまでのPENになかったものが一気に入った1台
- ソフト面では ハイレゾショット・ライブND・深度合成 が加わり、専用のCPボタンで呼び出せるようになった
- 一方で 393gと大きく重くなり、レンズキットで148,500円 と、「気軽なPEN」からは少し離れた
- E-PL8・E-PL10 は3軸手ぶれ補正・1600万画素だが、ライブコンポジットは当時から積んでいる
- 我が家での使われ方を見ていると、効いているのは ズームの便利さ・特別感・自撮りのしやすさ のように感じる
- 新型が強化したのは主にソフト面で、モニターはチルトからバリアングルに変わった。乗り換えを考えるなら、ここは一度触って確かめたいところ
カメラに詳しくない方へ贈る1台を探している方、PENシリーズが気になっている方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


