NASのことが何も分からないところから、Claudeに教わりつつ選んで購入しました【UGREEN DH2300】
こんにちは、ザビリオです。
普段はカメラの話ばかり書いているのですが、今回は少し毛色の違う話です。NAS(ネットワークにつなぐ家庭用のファイル保管庫)を買いました。
きっかけは、子どもが生まれてから毎日のように増えていく写真と動画です。
- スマホの容量が動画で埋まっていく
- 撮った動画をスマホから逃がして、見たくなったらまた戻したい
- 妻と写真・動画を共有したい
この3つをまとめて解決できそうなのがNASらしい、というところまでは分かりました。ただ、そこから先がまったく分かりませんでした。
製品を並べてみても違いが読み取れないし、HDDは別売だと言われても何を買えばいいのか見当もつかない。そこで、AIチャット(Claude)に先生役をお願いして、質問を重ねながら選んでいくことにしました。
結果として買ったのは UGREEN NASync DH2300。途中では6万円近い上位機種も候補に入っていたのですが、最終的に約3万円のこちらに落ち着いています。
教わったことを、同じように迷っている方に向けて共有してみたいと思います。
AIから教わった内容ということになりますので、「AIは誤りを含む可能性がある」という点については把握したうえでお読みください。

まず候補を5つ挙げてもらった
「こういう用途で、家族で使いたい」と伝えて挙げてもらったのが、次の5製品です。
| 製品 | タイプ | HDD | 参考価格 |
|---|---|---|---|
| UGREEN NASync DH2300(2ベイ) | 本格NAS(ARM) | 別売 | 約32,880円 |
| UGREEN NASync DXP2800(2ベイ) | 本格NAS(x86) | 別売 | 約59,880円 |
| Synology BeeStation(BST150-4T) | パーソナルクラウド家電 | 4TB内蔵 | 約41,585円 |
| Synology DS124(1ベイ) | 本格NAS(ARM) | 別売 | — |
| BUFFALO LinkStation LS210D | エントリーNHDD | 2TB内蔵 | 約19,110円 |
※ 価格は検討時点のものです。変動しますので、購入前に最新の実売価格をご確認ください。
同じ「NAS」でも性格がまったく違う、というのが最初の発見でした。
BeeStation は、電源とLANをつないでQRコードを読むだけで使えるパーソナルクラウド家電。月額料金もかからず、最大8人まで招待できます。面白いのが、所有者であっても他の人のファイルは見えない設計になっているところ。「基本は各自プライベート、共有したいものだけ明示的に共有」という考え方だそうです。
LS210D はHDD込みで最安。DTCP-IPに対応していて、候補の中で唯一テレビ録画ができるのが特徴でした。ただ2018年の設計ということもあり、アプリまわりの体験は最も古いようです。
DS124 は中身が本物のDSM 7.2で、フォルダ単位の権限管理もできる本格派。ただしARM CPUのためDocker(Container Manager)が使えないとのことでした。
質問を重ねて、判断軸を1つずつ潰していった
ここからが本番です。分からないことを聞いては、条件を絞り込んでいきました。
①「上位機種との差は?」
同じUGREENの上位機種、DXP2800との違いを整理してもらいました。
| DH2300 | DXP2800 | |
|---|---|---|
| CPU | Rockchip ARM 8コア | Intel N100 |
| メモリ | 4GB(増設不可) | 8GB DDR5 |
| 有線LAN | 1GbE | 2.5GbE |
| M.2 SSDキャッシュ | なし | 2スロット |
| Docker / VM | 非対応 | 対応 |
ここで一番腑に落ちたのが、「やりたかったことは、どちらでもできる」という説明でした。
写真・動画の保存、スマホやPCのバックアップ、外出先からのアクセス、家族共有。この用途に必要な機能は両方にあって、違うのはスピードと拡張性、そして約27,000円の価格差だけ。
DXP2800が活きるのは「撮影量が非常に多い」「動画編集もする」「有線で高速に転送したい」といったケース。今回はその強みを使い切れないだろう、という結論になりました。
②「Docker対応で何ができるか?」
DXP2800を外すうえで、最後まで引っかかったのがDocker対応でした。
実は私、OpenFOAM(オープンソースの流体解析ソフト)を趣味で触ってみたいと思っています。仕事に直結するわけではないのですが、勉強がてらやってみたいことのひとつです。
「NASでこれが回せるなら、DXP2800を選ぶ理由になるのでは?」と思って聞いてみたところ、返ってきたのは冷静な整理でした。
- NASのCPU(N100・4コア)とメモリ(8GB)では、本番規模の解析は非現実的
- できるのはせいぜい「計算ケースや結果の保管庫」「小さなジョブの常駐実行」「環境イメージの配布元」くらい
つまり、Dockerが使えたところで、私はNASを計算機としては使わない。「やりたいこと」と「その機材でできること」は別だと気づけたのが、この相談でいちばん大きかったかもしれません。
ここでDXP2800が候補から外れました。
③「妻が使いづらいと意味がない」
家族で使うものなので、私だけが使えても仕方がありません。アプリの使い勝手と写真整理機能は妥協しない方針にしたところ、設計の古いLS210Dが後退しました。
④ 決め手:「2ベイに1台だけ入れて始められる」
最後の決め手がこれでした。
UGREENのOSである UGOS Pro は、Basic → RAID 1 → RAID 5 のオンライン移行に対応しているそうです。つまり、データを入れたままドライブを追加できるということ。
これができると、
- まずHDD 1台だけでスタートして初期費用を抑える
- 必要になったら2台目を足してRAID 1(ミラー)にする
という段階的な導入ができます。1ベイのBeeStationやDS124にはない利点で、ここで心が決まりました。
いちばん助かった話:HDDには「買ってはいけないもの」がある
DH2300はHDDが別売なので、自分で選ぶ必要があります。そして、ここが今回いちばん教わってよかった部分でした。
正直に言うと、私はHDDに種類があることすら知りませんでした。容量と価格を見て、「NAS用」と書いてあるものから選べばいいのだろう、くらいの認識です。
ところが、そこに落とし穴があると教わりました。
CMRとSMR
HDDには記録方式が2種類あるそうです。
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| CMR | 持続的な書き込みやRAIDの復旧を安定して処理できる。NASにはこちら |
| SMR | 書き換え時に大幅に速度が落ちる。RAIDが不安定になり、データ消失のリスクも |
UGREEN公式の互換リストにも、SMRドライブは避けること、特にRAID1/RAID5では絶対に使わないことが明記されているとのことでした。
名前だけでは見抜けない罠
さらに驚いたのが、次の話です。
「WD Red」無印(型番にEFAX)はSMR。
CMR版は「Red Plus」(型番にEFPX / EFZX)。
2020年に、Western DigitalがWD Red無印の2〜6TBモデルへ告知なくSMRを採用していたことが発覚したのだそうです。RAIDの復旧中にドライブが切り離されるトラブルが多発し、その後 Red Plus(全容量CMR)と Red(SMR混在)に分けられた、という経緯があります。
そして2TB帯は、まさにこの該当範囲。
商品名と「NAS用」という表記だけを頼りに選んでいたら、まず気づけなかったと思います。同じブランド名の中に、向くものと向かないものが混ざっている——というのは、言われなければ想像もしませんでした。
CMRの見分け方
| メーカー・シリーズ | CMRかどうか |
|---|---|
| WD Red Plus | CMR(型番は EFPX / EFZX)。※無印Redの EFAX はSMRなので注意 |
| Seagate IronWolf | シリーズ全体がCMR(ST2000VN003 / VN004 / VN006 など) |
| Toshiba N300 | CMR(型番は HDWG) |
| Synology純正 | CMR(型番は HAT3300) |
スペック表に「CMR」と明記がなければSMRだと思って避ける、というのが安全な考え方だそうです。
避けたほうがよいもの
- WD Red無印(EFAX)
- デスクトップPC用のHDD
- 監視カメラ用のHDD
- 外付けHDDの「殻割り」品(NAS用ではなく、保証も失効します)
実際に買った構成
- 本体:UGREEN NASync DH2300(2ベイ)
- HDD:Seagate IronWolf ST2000VN004(2TB / CMR)× 1台
- 構成:1台のみでスタート(RAIDなし)
HDDは再生品を買いました
ここは少し補足が必要です。
私が買ったのはAmazonの再生品で、商品ページには「VNシリーズ」という表記までしかありませんでした。
届いたのは ST2000VN004。IronWolfはシリーズ全体がCMRなので、結果的には問題ありませんでした。
ただ、今になって思えば、型番が確定しないまま買っていたことになります。買った時点ではそこまで気が回っていなかったのですが、シリーズの中に条件の合わないものが混じっていたら、意図しない不具合につながっていたかもしれません。
結果オーライではあったものの、型番まで明記されたものを選ぶほうが安心だと思います。
容量は2TBにしました
一般的なNASの指南記事を読むと「1〜2TBは1〜2年で足りなくなる」「家庭用は4〜8TBが売れ筋」とよく書かれています。2TBと4TBの差額は7,000〜8,000円ほどでした。
それでも私は、まず初期費用を抑えることを優先して2TBにしました。DH2300本体を購入したうえでのHDDなので、一挙に支出するには+7,000~8,000円であっても私のおサイフには高額すぎました。
2ベイなので、足りなくなったら別ドライブとして増設できる逃げ道がある、という判断です。

あわせて教わった、容量とRAIDの考え方
あとから容量を足すとき
| 方式 | 評価 | |
|---|---|---|
| A | 別のボリュームとして追加する | 推奨。既存のプールを触らないのでデータ消失がなく、片方が壊れても失うのはそのドライブ分だけ |
| B | JBODで1つにまとめる | 容量は合算できるが、作成時に構成する必要があり後付け不可。1台壊れると全体を失うため家族写真には不向き |
また、容量の違うドライブを足すのは合算には向きますが、RAID 1には不向きとのこと(小さいほうに合わせられるため差分が無駄になります)。将来ミラー化を考えるなら、最初から同容量で揃えるほうが無駄がありません。
RAIDはバックアップではない
ここは念を押されました。
RAIDはドライブの故障に備えるものであって、誤って消してしまった場合・ランサムウェア・災害には無力です。これらは全ドライブに同時に影響します。
別途「3-2-1ルール(3つのコピー・2種類の媒体・1つは別の場所に)」でのバックアップが推奨されるそうです。ここは私の今後の課題です。
写真データの保管場所として
カメラの話をよく書いているブログなので、その観点にも触れておきます。
RAWで撮っていると、写真でもデータ量は相当なものになります。これまで外付けHDDに入れていたものをNASに集約すると、MacからもiPhoneからも同じ場所を見に行けるようになるのは想像以上に快適でした。
現像前のRAWを置いておく場所として考えても、1台のパソコンに紐づかない保管先があるのは安心感があります。ここはもう少し使い込んでから、あらためて書いてみたいところです。
使ってみて:よかったこと、かゆいところ
妻との写真共有はうまくいっている
当初の目的だった「動画をスマホから逃がす」「必要なら戻す」「家族で共有する」は、すべて達成できました。
特にアルバム機能を使った妻との写真共有は、夫婦ともに便利に使えています。教わりながら選んで正解だったな、と思う部分です。
かゆいところ:共有アルバムに通知がない
一方で、正直に書いておきたい不満もあります。
「自分がアルバムに写真を追加したら妻に通知が届く」という機能が、見つかりませんでした。
UGREEN NASアプリのPhotos機能は、タイムライン表示、人物アルバム、条件を指定したカスタムアルバム、詳細情報の表示などが中心で、共有アルバムへの追加を知らせる機能は含まれていないようです。
UGOS Proにシステム通知(メールやプッシュ)自体はあるのですが、対象はディスクの異常・容量・システムイベント・ログインといった管理系のイベントで、アプリ内のアルバム操作までは拾ってくれません。
Googleフォトの共有アルバムには新規追加時の通知があるので、この点はまだ追いついていない印象です。
結局どうしたか
回避策も一緒に考えてもらったのですが、最終的には 「口頭で一言伝える」 というシンプルな運用に落ち着きました。夫婦2人なので、仕組みを作り込むより確実で早かったです。
一応、検討した案も挙げておきます。
- UGOS Proのワンクリック共有リンク(ログイン不要でアクセスできます)を送る
- 「直近7日以内に追加」などの条件付きカスタムアルバムを作って、新着がわかるようにする
- UGREENに機能要望を出す(Photos機能は継続的にアップデートされているそうです)
どんな人にどれが向きそうか
| こんな方に | 製品 |
|---|---|
| 予算最優先。基本機能で十分で、テレビ録画もしたい | BUFFALO LS210D |
| とにかく手軽さ重視。設定を考えたくない。4TB込みで完結させたい | Synology BeeStation |
| 本格NASを自分で設定したい(Dockerは不要) | Synology DS124 / UGREEN DH2300 |
| 将来Dockerで自宅サーバー的に拡張したい | UGREEN DXP2800以上(x86機が必須) |
| コスパと十分なアプリ体験。段階的に拡張したい | UGREEN DH2300(私の選択) |
まとめ:教わって、いちばんよかったこと
- 上位機種との差は「使い切れるかどうか」で判断する。DXP2800の強みは、私の用途では活きなかった
- 「やりたいこと」と「その機材でできること」は別。OpenFOAMをNASで回す構想は、聞いてみて早々にたたまれた
- 決め手は2ベイに1台から始められること。あとから足せる安心感は大きい
- HDDはCMRを選ぶ。「WD Red」無印はSMRという罠がある。そもそもHDDに種類があることを知らなかったので、教わらなければまず気づけなかった
- RAIDはバックアップではない。そこは別に用意する必要がある
分からないことを分からないまま買わずに済んだのが、今回いちばんの収穫でした。ひとつずつ質問して、納得して選べたぶん、買ったあとの満足度も高い気がしています。
同じように「NASは気になるけれど、違いが分からなくて選べない」という方の、判断材料のひとつになれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。