こんにちは、ザビリオです。
今回は手帳の話で、バレットジャーナルについてです。
バレットジャーナルはライダー・キャロルという方が発案した手帳術で、世界中で愛用している方が多くいらっしゃいます。
「手帳術」なので手帳本体にどのようなものを使うかはあまり問題ではなく、その使い方として「こう使うと便利だよ」という内容を提唱しているというものです。
ライダー・キャロル氏が提唱しているのはその基本的な部分で、その基本を踏まえたうえでユーザー一人ひとりが自分にとって使いやすいようにオリジナルのルールやページを追加して、独自の”バッレットジャーナル”を築いています。
今回は、ライダー・キャロル氏が著書の中で紹介している基本となるページセットに着目して、それがGTDの高度でいうどの部分をカバーした内容になっているかを見てみたいと思います。
GTDの高度については、以前のブログを参照いただければと思います。
バレットジャーナルについて
バレットジャーナルは前述のとおり、ライダー・キャロル氏が提唱した手帳術です。
創始者であるライダー・キャロル氏は自身がADD(注意欠陥障害)であることを公表されています。ご自身の中でその時々に湧き起こる考えやアイデアを取り逃がさないように、思いついたことを「ラピッドロギング」と名付けた書き方の法則に従って随時記録していきつつ、終わらせる必要があることを取りこぼさずに管理するための方法論です。
「ラピッドロギング」とは、メモすべきことを箇条書きで端的に書き込む方法です。
箇条書きで書いた文の文頭に”キー”と呼ぶ記号を付けることで、その箇条書きの項目がメモなのかタスクなのか、完了なのか未完了なのかなどについて見分けがつくようにする方法です。
ただ、その場で思いついたことを書き留めるだけであればメモの取り方ということになるのですが、手帳の使い始めで特定のページをあらかじめ確保し、予定管理やタスク管理の要素も盛り込んでいる点と、ラピッドロギングで順番を気にせず書き留めていくという点に特徴があります。
バレットジャーナルの具体的な作り方は、キャロル氏本人が解説書を出されており、以下の本に詳しく解説されています。
バレットジャーナルに盛り込む基本的なページ
新品の新しいノートを新たにバレットジャーナルとして使い始める際に、最初に以下のページを確保します。
- INDEX: 目次となるページです。使っている中で、よく見るであろうページや大事なことを書き込んだページが出てきた際には、INDEXにそのページのページ番号を書き込みます
- フューチャーログ: たとえば年始に新しいバレットジャーナルを作り始める際、1月、2月、…、12月、それ以降、というように、少し先の予定やタスクが発生した際に書き留めておけるスペースとして確保しておくページです。
これらのページのスペースをあらかじめ確保したあと、日々のログページを作っていきます。
日々のログページは前から順番に書き込んでいき、以下のとおりの構成になります。
- マンスリーログ: 月初めに作成するページです。その月のカレンダーを見開き左側のページに書き込み、見開き右側のページにタスクのスペースを確保します。
- ウィークリーログ: マンスリーページの週初め版です。キャロル氏はウィークリーまで管理すると煩雑になるため、必ずしも設ける必要はないと述べています。
- デイリーログ 日々のタスクやログ、考えたことなどをラピッドロギングで記入していくページです。
- コレクションページ: 特定のトピックやタスクについてのみの情報を書き込む特設ページです。「◯◯に関することを考えたい」と思ったときなどにあらかじめまとまったページを白紙のまま確保し、あとから必要に応じて順次書き足します。
基本的にはこれらのページを組み合わせで日々の予定・タスクやアイディアなどを漏れなく捕捉していくというのがバレットジャーナルの構成になります。
基本的なページの高度分類
ここでは、バレットジャーナルの基本的なページが、GTDの高度で見た時にそれぞれどの高さにあるものかを考えてみたいと思います。
先に結論を示すと、自分的には以下のような高度分けになると思っています。
ページ | 高度 |
---|---|
INDEX | 目次なので、高度なし |
フューチャーログ | 3,000m (目標/ゴール) |
マンスリーログ | 3,000m (目標/ゴール) |
ウィークリーログ | 0m (日々の行動) 〜 3,000m (目標/ゴール) |
デイリーログ | 0m (日々の行動) |
コレクションページ | 1,000m (プロジェクト) |
それぞれ個別に見ていきたいと思います。
フューチャーログ: 3,000m
フューチャーログはその年1年の各月の予定やタスクなどをあらかじめ書き込むページです。
予定しか扱わないのであれば行動の管理として0mでも良いのですが、どのタイミングまでに◯◯を達成したい、といったようなマイルストーンなどの設定にも使えるため、ここでは高度3,000mの目標/ゴールを扱うページとしています。
マンスリーログ: 3,000m
マンスリーページは、前述のとおり見開き左のカレンダーと見開き右のメモページで構成されます。
カレンダーだけであれば行動の管理なので0mになりますが、ここでは月の目標設定にも使えるため、高度3,000mを扱うページとしています。
ウィークリーログ: 0m 〜 3,000m
ウィークリーページは建付けとしてはマンスリーページと同じになります。
1週間でどこまでのタスクをこなせるかで扱う高度は変わりそうな気がするため、0m〜3,000mとしています。
デイリーログ: 0m
デイリーログは日々のタスクや思いついたアイデアのメモなどが中心となるため、日々の行動管理として0mの位置づけになるとしています。
コレクションページ: 1,000m
コレクションページはトピックを決めてその内容について書き込むページという位置づけで、その用途は自由とされています。
人によっては絵を描くページとして使ったり、特定の情報だけを書き込んだりなど用途は多岐にわたるのですが、特定の項目のみを扱うために割いたページ群であることに着目して考えると、プロジェクト(=複数のタスクで構成されたアクション)としての色味があるのかな、と思えます。
そのため、ここでは1,000mとして分類しました。
バレットジャーナルは0m〜3,000mに特化した手帳だが、自由度の中で補完できる手帳
ここまで淡々と、バレットジャーナルの基本的なページ分類に対して自分の目から見た高度の分類をしてみました。
バレットジャーナルの基本的なページにどの高度の要素が含まれているかを考えると、0m〜3,000mに特化していることが判ります。
そのため、日々のタスクの管理やアイデアのストックには使いやすい反面、自分の将来的な展望や価値観のストックについては含まれていない様に見えます。
一方、本やインタビューなどで発案者であるライダー・キャロル氏の話を聞いていると、キャロル氏本人はコレクションページの中で高度4,000m以上の実現したいことや価値観を温めていたのかな、という印象を私的には受けています。
実際、この記事の序盤で紹介した書籍の中でも、基本的な使い方を前半で説明したあと、後半部分にあたる「バレットジャーナルの使い方」以降のページで、「目標(ゴール)コレクション(自分の長期的な目標をまとめるコレクションページ)」、「明快ログ(自分が現在苦心していることを明確化するコレクションページ)」など、基本的なページ以外のページを用いて価値観など高度4,000m以上の範囲をカバーするような使い方が紹介されています。
そのため、バレットジャーナルは「何を書いても良い」とされているコレクションページに高度4,000m以上の要素を意図的に入れていくことで、バランスの良い手帳として使うことができる手帳術のだろうなと思います。
まとめ
今回はバレットジャーナルを取りあげて、基本となるページ構成に対してGTDの高度別に分類すると、どのような高度がカバーされているかを考えてみました。
淡々と見ていくと高度3,000m以下の領域をカバーすることに重点が置かれた手帳術のようにも見えるのですが、「コレクションページ」という自由度の高いページを活用することで4,000m、5,000mについて考えるスペースを確保できるとも考えることができます。
白紙の手帳に自由に書き込んでいく自由度の高さこそがバレットジャーナルの面白いところであると思うのですが、用途の面で見てもその自由度の高さが利点になっているのだな、と個人的に思いました。
自分の中の理解を整理する意味合いの強いブログ記事になりましたが、こんな内容が誰かのお役に立っていれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。