カメラ・アクセサリ

自分が思う、最初のカメラの選び方

こんにちは、ザビリオです。

私はカメラ趣味を始めて10年以上経っており、これまで何種類かカメラを使ってきました。

その中で、後悔していることの一つとして、私自身がカメラを始めて間もない頃、友人にカメラを買うときにどんなのが良いかと問われたときにうまく説明できなかったという事があります。

結果その友人はカメラを買うことはなかったのですが、今の自分ならどうオススメするかな〜、ということを時折考えたりしています。

今回は、「今の自分ならどんな基準でカメラを人にオススメするか」というテーマで書いてみようと思います。やや長い内容になりましたが、カメラ選びをしようとしている方の参考になれば幸いです。

自分が思うポイント

まずはざっくりと自分が思うポイントを書いてみたいと思います。

完全に個人的な価値観に基づくため、違う考え方の人は「この人はこういう見方してるんだな」くらいの感覚で見てもらえれば幸いです。

スマホと差別化できる性能のものを選ぶ

最近ではカメラはスマホに標準装備されていて、その性能もかなり上がってきている用に思います。

画質や画作りに特別なこだわりがなければ、スマホのカメラで十分に綺麗で高画質な写真が簡単に撮れるため、「写真を撮る」だけであればカメラを持つメリットはないと思います。

それでもなぜカメラを持つかというと、「スマホでは撮れない写真が撮れるから」「ファインダーを覗いてシャッターを切るのが好きだから」などの点がカメラを別で持つ動機になると思います。

思いつくものを列挙すると

  • スマホでは撮れない、自然なボケ感のある写真が撮れる
  • 画素の多い少ないによらず、レンズの力でシャープな描写が得られる
  • 強力な手ブレ補正で動く被写体もキレイに撮れる
  • 高感度の性能が強く、暗所でもキレイに写真や動画が撮れる

などでしょうか。ここではボケ感に着目して話を進めます。

型落ち・中古を含めて選ぶ

最近のカメラの最新機種は、エントリーモデルでは10万円など、性能の良いものだと20万円や30万円、またはそれ以上のものも多いように思います。

エントリーモデルはセンサーサイズの小さな物が多く、現行品で大きなセンサーを使おうとすると必然的に20万、30万以上の価格帯を狙う形になってしまいます。

一方、性能的な部分でみると直近の最新機種は初心者や一般的なユーザーにとっては高機能すぎるものも多く、例えばセンサーサイズの大きさを得るために高額な現行機種を買ったとしても、機能的にはあまり使用しないということもあると思います。

中古を含めた型落ちのカメラであれば、大きなセンサーサイズのものでも価格が落ちていて手を伸ばしやすくなっているため、現行機種のみではなく、型落ちや中古のものを視野に入れて選んだ方が良いと思います。

信頼できるお店で中古を買う

前項で中古の型落ちモデルを購入することも視野に入れた方が良いと記載したのですが、個人的に買う場所は選んだ方が良いと思っています。

中古の買い方で見ると、大手のカメラ専門店や家電量販店の中古品取扱店のほか、フリマサイトなどの個人販売でも中古品が扱われています。

価格を比較するとフリマサイトを通じて個人で購入すると、量販店で取り扱っている中古品よりも低価格で購入できることも多いように見えます。

ただ、私個人の経験では、カメラやレンズの購入は外観だけではわからないレンズのカビ、チリの混入やダイヤルの不具合などによって、「写真を撮る」という本来の目的を果たせないものも出品されていたりします(私の経験として、外観が綺麗なことをことさら強調しているオールドレンズを購入し、いざ装着してみるとカビで真っ白な写真しか撮れなかったということも実際にありました)。

そのような本来の機能を果たせない不具合をはらむ製品には初心者では見分けがつきにくい物もあり、結果的に修理が必要になったり買い直したりする必要があったりと後悔する可能性がそれなりにあるため、私としては大手のカメラ専門店や家電量販店で中古を購入するのがオススメです。

私が中古でカメラを購入する際は、マップカメラさんでよく購入しています。

具体的な選び方 (ザビリオ基準)

前項までで「私が思うポイント」を紹介しました。ここからはそれらのポイントを踏まえて「私なら何を基準に選ぶか」という点を書いてみたいと思います。

※前項同様、あくまで私の主観的な基準です

私の価値観として、カメラとスマホの差別化ポイントを「自然なボケ感」に置いています。そのため、私が強調するポイントとしてはボケ感を作るのに直結する項目です。

上の写真は左がスマホで撮った写真、右がカメラで撮った写真です。どちらもラーメンの麺を持ち上げた写真ですが、カメラで撮った方が背景がボケているため、主役の麺が目立ってくれています。また、スマホでは背景がボケにくいので、人が写り込むことを気にして少し伏し目がちの角度になってしまっています

センサーサイズはマイクロフォーサーズ以上

ボケ感を作るのに直結する項目のうちのひとつが、センサーサイズです。

センサーはレンズから取り込んだ光を受け受け取り、画像データに変換する元となる部品ですが、このセンサーのサイズは大きければ大きいほどボケ感が大きくなります。

スマホのカメラはセンサーサイズが小さいため、本来はボケ感を得るのが難しく全体がクッキリ写ってしまいます。最近のスマホではこれをソフトウェアの力でボケのある写真に加工してくれます。

しかし、このスマホカメラによる加工は、見れば見るほど「加工した」感じがわかってしまうため、物理的に大きなセンサーを積んだカメラの方が、自然なボケ感が得られます。

現行のスマホカメラのセンサーは1/2.3インチや1/1.7インチなどが多く、大きなもので1インチです。過去の自分のブログ記事に載せていた表を、参考までに再掲します。

1/2.31/1.714/3APS-Cフルサイズ
コンデジ
高級コンデジ
スマホ
一眼(●)(●)(●)
※一眼で(●)としたものは、昔はラインナップされていたものの現在では開発終了していることを意味しています。(主観なので、まだ現行のものがあったらごめんなさい)

スマホとの差別化をしていこうとすると、1インチよりも大きなセンサーである、「マイクロフォーサーズ以上」が基準値になるかと思います。

大きければ大きいほどボケ感が得られるものの、価格が上がったりカメラ自体の大きさが大きくなったりするため、最終的にどのサイズを選ぶかは好みによるところだと思います。

レンズのf値は小さいほど良い(個人的にはF2.8以下)

ボケ感に直結する項目のもうひとつが、レンズの開放f値です。f値はカメラの設定で変更できる項目なのですが、小さく設定して撮影するほどボケ感の大きな写真が得られます

一方、「どこまで小さく設定できるか」はレンズの性能によって異なり、レンズの名前に最小に設定できるf値の値が記載されていたりします。(例えば、過去に私のブログで登場したSIGMA 24mm/f2.0 DG DNなどは、最小のf値が2.0まで下げれることを意味しています)

このf値がいくつ以下なら良いかというのはその人の感性や用途によって異なってくると思うのですが、冒頭の私の後悔で考えると、「何も知らないけどカメラ買ってみようかな」と思っている人がそのような自由度を与えられても迷ってしまうだろうな、と今の自分としては思っていたりします。

そんなわけで自分の主観的な基準がどうなっているかを考えてみると、「APS-CのセンサーでF2.8以下」が基準のラインになっているな、と思います。

なぜAPS-C × F2.8以下のラインが自分の中で基準になっているかと考えてみると、SIGMAのDP Merrillシリーズやdp Quattroシリーズのような「作品づくり用」を謳うカメラや、RICOHのGRシリーズのようなよく売れたシリーズのカメラの影響を受けている気がします。

どちらもレンズ交換できないコンデジ(APS-Cセンサー)なのですが、F2.8のレンズを搭載して発売されていたため、自分としてこのラインを基準に見ているのかなと思います。(何度も述べますが、主観です)

ボケ感はセンサーサイズの影響も受けるため、マイクロフォーサーズならF2.8より気持ち低め、フルサイズなら気持ち大きめに基準が動くものの、その基準以下であればある程度のボケ感は期待できるものとして考えてよいのかな、と思っています。

画素数は1,200万画素以上あれば十分

次に、画像の緻密さに影響する画素数です。

画素数は大きければ大きいほど拡大したときにも緻密な絵が保たれるのですが、小さな画面や小さな紙に印刷するだけの用途ではあまり影響が出ない部分です。

現行の最新機種を見ていると,高画素化はどんどん進んでいて、ハイエンドのカメラでは1億画素を超える機種も存在しています。

一方で、どこまでの画素が必要かと考えてみます。私が好きな写真家さんがA4サイズの雑誌にLeicaのM8という1,035万画素のカメラで撮った写真を雑誌に掲載していましたが、私の目では画素数が足りないとは感じませんでした

これをみると、写真の撮影を楽しみつつ、A4サイズの紙や画面でデータを見る分には、1,000万画+α程度あれば画素として十分なのかな、と思います。

私の愛用しているD-LUX Typ109は画素が1,280万画素ですが、この程度の画素があればノートPCやiPad上の表示などの用途には十分に感じていることもあり、画素数は1,200万画素以上というのが基準になるかなと思っています。

焦点距離は広角をカバーしているもの

焦点距離は、そのレンズがどれだけの範囲を写すことができるかの指標になる数字で、数字が小さいほど広い範囲(=ワイド、広角)、大きいほど狭い範囲(=ズーム、望遠)を写せることを意味しています。かなりざっくり書くと、以下のような対応でしょうか。

焦点距離
(35mm判換算)
画角概要
〜35mm広角人間の視野より広範囲が写り、旅先の風景などを撮りやすい画角です
35〜50mm標準標準となる画角で、人間の視野に近い範囲を写すことができる画角です
50〜80mm中望遠望遠と標準の中間程度で、人をアップで撮るときなどに使いやすい画角です
80mm〜望遠遠くのものを大きく写したり、狭い範囲をクローズアップできます

少しややこしくなるのですが、ここで35mm判換算と書いたのは、レンズの焦点距離の数字がそのまま撮影できることができる車品の画角に直結しないためです。

具体的にはセンサーサイズの大きさに応じた倍率を掛けて考える必要があり、例えば30mmの焦点距離を持つレンズを各サイズのセンサーにつけると、写る画角は以下のようになります

レンズの焦点距離センサーサイズ焦点距離
(35mm判換算)
得られる画角
30 mmフルサイズ (×1)30 mm広角
30 mmAPS-C (×1.5)45 mm標準
30 mmフォーサーズ (×2)60 mm中望遠

用途が定まっていれば目的に合う画角が得られる焦点距離のカメラを選ぶとよいのですが、用途が定まっておらずいろんな局面で使いたい場合、自分が近づいたり遠ざかったりすることで多くの場面をカバーできるのは広角レンズだと思います。

実際、単眼のスマホに搭載されているカメラの多くは広角レンズであることからも、広角レンズの汎用性が伺えます。(ex: iPhone16eのカメラの焦点距離は、換算26mm)

ズームがついたカメラでも、ズームができない単焦点のカメラでも、広角域が範囲に入っていれば初めてのカメラとして使いやすいのではないかな、と思います。

接写ができるものならなお良し

最後の項目は接写についてです。

あまり必要がないように思える項目なのですが、テーブルフォトを撮るときには接写機能が結構重要になります。

例えば旅行先にカメラを持ち出したときを想定して、旅先で食べる美味しいグルメの写真を撮ろうとしたとき、最短撮影距離が30cmやそれ以上だったりすると、どうしても取り回しが悪くなるほか、離れた位置からの撮影になりがちであまり美味しそうに見えなかったりします。

こういうときに接写機能があると、カメラをグッと近付けて料理の一部分をクローズアップしたりできるため、日常使いの用途が広がります

まとめ

今回、自分が友人にカメラをオススメする場合にどんな基準でオススメするかという点を考えてみました。

自分的なオススメする際の前提は以下のとおりです。

  • スマホと差別化できるものを選ぶ
  • 中古・型落ちを含めて考える
  • 中古を買う場合は信頼できるお店で買う

そのうえで、カメラのスペックを選ぶ際にどの程度以上のスペックがあれば良いかという点について、自分的な基準を考えてみると以下のとおりでした。

  • センサーサイズはマイクロフォーサーズ以上を選ぶ
  • f値は2.8以下を目安に選ぶ
  • 画素数は1,200万画素以上あれば十分と考える
  • 焦点距離は広角をカバーしてるものを選ぶ
  • できれば接写機能があるものを選ぶ

このあたりが明確になっていたら、コンデジでもミラーレスでもあまり関係はないかと思うのですが、自分的に気になっているコンデジは過去に紹介していたりするので、もし実際にカメラを探している人がこの記事を読んでくれていた場合には、これらの型落ちを目安に自分にあうものを探してみるのもいいのかな、と思います。

長い記事になりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。